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概要アメリカ、ニュージャージー一帯に古くから伝わる怪物。コウモリに似た翼で空を飛び、家畜や人を襲うと伝えられる。「リーズポイントの悪魔」「リーズ家の悪魔」などとも呼ばれているという。 この怪物の誕生についてのエピソードが幾通りか存在しており、そのうちの一つは次のようなものである。 1735年の嵐の夜、リーズ家に赤ん坊が生まれた。赤ん坊は、母親や隣人の眼前でみるまに変身し、おぞましい怪物となって煙突から飛び去っていった。以来パインズ(正式名パインランズ)の森に棲み、何年かおきにあたりに出没しては人や家畜を襲い、人々を恐怖に陥れるようになったという。 伝説の真偽は定かではないが、この頃から謎の怪物が目撃されていたということではないだろうか。全体としてかなり都市伝説的であるが、現代でも目撃報告が続いている点は興味深い。 これまでに残されている遭遇事例には以下のようなものがある。 1800年代のはじめ、海軍のデケイター准将がパインズを訪れていた折、空を飛んでいた怪物に一発の砲弾を見舞ったという。しかし怪物は、その砲弾が体を突き抜けたにもかかわらず、ものともせずに飛び去ったという。 また1800年初頭、パインズの森での狩猟を好んだスペインの前国王も、この怪物に一度出会ったと伝えられている。 また1909年、1月16日〜23日の8日間には目撃事件が集中発生し、出没地域は30以上にも上ったという。このときは都市部でも目撃され、フィラデルフィアなどでも大騒ぎになったという。これは、ジャージー・デビルに関する事件のなかで最も大きなものである。 近年では、1980年にニュージャージー州南部に現れ、家畜を襲ったといわれる。このときは馬のひづめに似た足跡が残されていたという。このほか、1993年12月にはニュージャージー州の自然公園管理者ジョン・アーウィンが、森のパトロール中に二本足で立つ怪物に遭遇したという。 ジャージー・デビルは伝説の怪物には違いないが、現在まで続くこれら目撃報告の存在は、それに止まらない何かを感じさせはしないだろうか? |
特徴
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正体は?伝説通りの生物を想像するなら、翼手竜の生き残りなどが考えられるだろうか。もっとも、それとてコウモリ様の翼など、かすかな類似点がみられるのみであるが。 むしろ現実的な解釈として、キリスト教圏での悪魔像が投影された土着の怪物、つまり日本でいう妖怪のような存在だとの見方が有力視されるようである。例えば1909年の出現騒動は、その後の調査で、どうやら虚言がもとになっての集団パニックだったらしいとの報告がなされている。 確かに伝えられる姿かたちや誕生のエピソードからは、むしろ荒唐無稽な印象すら受ける。あくまで空想上の生物であるとする説の存在は、ある意味当然であろう。 とはいえ、今なお地元住民による目撃報告が続いているのも、また事実なのである。 |