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アリストテレス【Aristoteles】

古代ギリシアの哲学者で、プラトンの弟子。(前384〜前322)

プラトンがイデアを超越的なものと考えたのに対し、形相(エイドス)を質料に内在する種的本質と考え、質料を形相実現の可能性と見、あらゆる生成過程を質料が形相を実現する過程として説明。

アテネにリュケイオンという学校を開き(その学徒はペリパトス(逍遥)学派と呼ばれる)、その研究は論理・自然・社会・芸術のあらゆる方面に及んだ。

「形而上学」「自然学」をはじめ、論理学・倫理学・政治学・詩学・博物学などに関する多数の著作がある。



イデア【idea】

ギリシア語。もと、見られたもの・姿・形の意。

プラトン哲学の中心概念で、感覚的世界の個物の原理・原型として理性的認識の対象となるとともに、超感覚的価値として価値判断の基準となる、永遠不変の実在。

近世以降、観念、また理念の意となる。



冥府【めいふ】

死者の霊魂が迷い行く道。また、行きついた暗黒の世界。あるいは、そこにある役所のこと。

同じような意味の言葉としては、冥土・冥途・冥界(みょうかい)・黄泉・黄泉路(よみじ)。



尻子玉【しりこだま】

肛門にあると想像された玉。河童(かっぱ)に抜かれると、ふぬけになるといわれる。

水死した人間の肛門は括約筋が緩み、玉でも抜いたように開いてしまう。ここから「河童が尻子玉を抜く」という話が生まれたと思われる。



日本書紀【にほんしょき】

六国史(りっこくし)の一。奈良時代に完成したわが国最古の勅撰の正史。

神代から持統天皇までの朝廷に伝わった神話・伝説・記録などを修飾の多い漢文で記述した編年体の史書。30巻。720年(養老4年)舎人(とねり)親王らの撰。日本紀(にほんぎ)ともいう。

これに関連して、

1)日本書紀通証【にほんしょきつうしょう】

日本書紀の注釈書。谷川士清著。35巻。1762年(宝暦12年)刊。書紀全巻に注釈を加えた最初のもの。

2)日本書紀通釈【にほんしょきつうしゃく】

日本書紀の通釈書。70巻。飯田武郷著。1902〜09年(明治35〜42年)刊。旧説を集成し、若干の新説を付加する。

などがある。



六国史【りっこくし】

奈良・平安時代の朝廷で編集された六つの国史、すなわち
  • 日本書紀
  • 続日本紀
  • 日本後紀
  • 続日本後紀
  • 日本文徳天皇実録(文徳実録)
  • 日本三代実録(三代実録)

の総称。



今昔物語集【こんじゃくものがたりしゅう】

わが国最大の古代説話集。12世紀前半の成立と考えられるが、編者は未詳。

全31巻(うち28巻現存)を、天竺(インド)5巻、震旦(中国)5巻、本朝21巻に分け、各種の資料から一千余の説話を集めている。その各説話が「今は昔」で始まるので「今昔物語集」と呼ばれる。「今昔物語」は略称。

中心は仏教説話であるが、世俗説話も全体の三分の一以上を占め、古代社会の各層の生活を生き生きと描く。

文章は、漢字と片仮名による宣命書きで、訓読文体と和文体とを巧みに混用している。



本草綱目【ほんぞうこうもく】

中国の代表的な本草書。明の李時珍の著。52巻。

本草1890余種の漢薬を釈名・集解・気味・主治・修治・発明・正誤・付方の各項にわたって解説。

1578年成り、96年刊。わが国でも版行。



本草書【ほんぞうしょ】

本草とは、薬草をはじめ薬物として用をなす玉石・木竹・禽獣・虫魚・亀貝(きばい)などの動植鉱物の総称であり、それらの産地・効能などを述べた書物を本草書という。

本草の研究(=本草学)は、もともと中国に由来し、薬物研究にとどまらず博物学の色彩が強い。

本草書がまとめられるようになったのは漢代と推定される(神農本草)。500年ころ陶弘景により「神農本草経」「神農本草経集注」が大成され、以後、唐・宋にかけて知識が補われたが、明末に李時珍(1523?〜1596)が最も完備した「本草綱目」を完成した。

日本へは奈良時代に伝えられ、「本草和名」などが現れたが、江戸時代に最も盛んとなり、貝原益軒の「大和本草」、稲生若水の「庶物類纂」、小野蘭山の「本草綱目啓蒙」が現れ、さらに西洋博物学の影響も加わって、多くの人がその発展に寄与した。



猩紅熱【しょうこうねつ】

法定伝染病の一。小児に多い発疹性伝染病。

急に発熱し、頭痛・咽頭痛・四肢痛・悪寒が起り、顔面紅潮し、全身皮膚に紅色小丘疹を発し、発疹は3〜5日で消退、後に落屑を見る。

病原体はA群溶血性連鎖状球菌。



痘瘡【とうそう】

small-pox。法定伝染病の一。痘瘡ウイルスが病原体で、高熱を発し、悪寒・頭痛・腰痛を伴い、解熱後、主として顔面に発疹を生じ、あとに痘痕(あばた)を残す。

感染性が強く、死亡率も高いが、種痘によって予防でき、1980年に WHO(世界保健機関)により絶滅宣言が出された。

疱瘡。天然痘。もがさ。



起上り小法師【おきあがりこぼうし】

達磨(だるま)の形に造った人形の底におもりをつけた玩具。倒してもすぐに起きなおるようにしたもの。

不倒翁。おきあがりこぼし。おきゃがりこぼし。



甲子夜話【かっしやわ】

随筆。著者は肥前平戸藩主の松浦静山。

文政四年(1821年)11月17日 甲子の夜より起稿。正続各100巻、後編78巻。

大名・旗本の逸話、市井の風俗などの見聞を筆録。



テン【貂・黄鼬】

イタチ科テン属の哺乳類の総称。7〜8種に分けられる。

わが国には本州・四国・九州に普通のテン、北海道にクロテンが分布。いずれも頭胴長40センチメートルほど。

本州北部のテンはキテンと呼ばれ、夏毛は全体に黒く、喉が黄色であるが、冬毛は四肢の先端のみ黒く、他は美しい黄色。

南部のテンはスステンと呼ばれ、夏は全身褐色で、冬毛もあまり変らない。

山林で単独生活し、雑食性。 季・冬 。

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ゲスナー,コンラート【Conrad Gessner】

書誌学の父といわれる、ドイツ系スイス人の博物学者。(1516〜1565)

25歳より書誌の制作に着手、博物学を含む広範な分野の書物を集める一方で、動植物の収集と研究をおこなった。

著書には『動物誌』(1551〜1587、全5巻)などがある。



四足獣の歴史【The Historie of Foure-footed Bears】

著述家のE・トプセルが著した中世イギリスの代表的な動物図鑑。1607年刊。

ゲスナーの著作を自由に翻案しながら多くの俗説も加味されており、伝説の獣も多数登場する。

かのシェイクスピアもこの図鑑を愛読していたといわれる。



山海経【せんがいきょう・さんかいけい】

中国古代の神話と地理の書。山や海の動植物や金石草木、また怪談を記す。18巻。

禹の治水を助けた伯益の著というが、戦国時代〜秦・漢代の作。



和漢三才図会【わかんさんさいずえ】

図説百科事典。寺島良安著。105巻81冊。

明の王圻(おうき)の「三才図会」に倣って、和漢古今にわたる事物を天文・人倫・土地・山水など天・人・地の三部105部門に分け、図・漢名・和名などを挙げて漢文で解説。

正徳2年(1712年)自序、翌年の林鳳岡ほか序。倭漢三才図会略。



素戔嗚尊・須佐之男命【すさのおのみこと】

日本神話で、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)・伊弉冉尊(いざなみのみこと)の子。天照大神(あまてらすおおみかみ)の弟。

凶暴で、天の岩屋戸の事件を起した結果、高天原(たかまのはら・たかまがはら)から追放され、出雲国で八岐大蛇(やまたのおろち)を斬って天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)を得、天照大神に献じた。

また新羅(しらぎ)に渡って、船材の樹木を持ち帰り、植林の道を教えたという。



保元物語【ほうげんものがたり】

鎌倉初期の軍記物語。3巻。作者は平治物語と同一人かとされて来た。

成立は平家物語以前。和漢混淆(こんこう)文で、源為朝を中心に保元の乱の顛末(てんまつ)を描く。



崇徳院【すとくいん】

第75代天皇、崇徳天皇(すとくてんのう)のこと。名は顕仁(あきひと)。讃岐院とも称。鳥羽天皇の第一皇子。

父上皇より譲位させられ、新院と呼ばれる。保元の乱に敗れ、讃岐国に配流、同地で崩。(在位 1123〜1141年)(1119〜1164年)

また、「崇徳院」という題の落語もある。

若旦那と見知らぬ令嬢が恋わずらいとなり、崇徳天皇 作の「瀬をはやみ岩にせかるる滝川のわれても末に逢はむとぞ思ふ」(小倉百人一首)という歌をたよりに探しあてるという話。



明月記【めいげつき】

藤原定家の日記。巻数不詳。漢文体。

1180〜1235年(治承4年〜嘉禎元年)の公武間の関係、故実・和歌などの見聞を記したもので、鎌倉時代の史料として貴重。

京都冷泉家などに大量の自筆本が現存。照光記。 



涅槃【ねはん】

梵語(サンスクリット語)で、吹き消すこと、消滅の意。

煩悩(ぼんのう)を断じて絶対自由となった状態。仏教における理想の境地。悟り。滅度。



キバノロ【牙麕】

シカ科の哺乳類。小形で頭胴長約80センチメートル。角がなく、雄には上顎に牙がある。栗色で黒い差し毛がある。

中国揚子江沿岸と朝鮮の水辺の草原・山地に生息。単独行動。クジカ。ミズシカ。



三才図会【さんさいずえ】

天文・地理・人物・動物・植物・器物、その他種々の物を図解して説明した書。

106巻。明の王圻(おうき)の撰。1607年成る。その子思義これを続集。



キリン【麒麟】

cut_hウシ目キリン科の哺乳類の総称。特に、その一種。

頭胴長3〜4メートル、尾長1メートルほどで、頭までの高さは4メートルを超え、哺乳類中もっとも高い。雌雄とも角がある。毛色と斑紋は亜種によって差がある。

現在はサハラ砂漠以南のアフリカの草原にだけ分布。

ジラフ(giraffe)。



錬金術【れんきんじゅつ】

alchemy。 古代エジプトに起り、アラビアを経てヨーロッパに伝わった原始的な化学技術。

近代化学の基礎がつくられるまで全ヨーロッパを風靡、卑金属を金・銀などの貴金属に変化させたり、不老不死の万能薬を製出したりすることなどを試みた。

これらに成功はしなかったが、種々の化学物質を取り扱う技術の発達を促した。

西洋中世の錬金術師たちは、『賢者(けんじゃ)の石』、または『哲学者の石』と呼ばれる物質を探し求めた。

この物質には、他のあらゆる物質を金に化したり、また万病を癒したりする力があると信じられた。



キュヴィエ,ジョルジュ【Georges Cuvier】

フランスの博物学者。パリ自然誌博物館の教授を経てコレージュ−ド−フランス教授。(1769〜1832)

脊椎動物の比較解剖学を研究、古生物学を建設、ラマルクの進化論に反対し、天変地異説を唱えた。

主著「比較解剖学講義」「地球表面の変革について」など。



フローベール【Gustave Flaubert】

フランスの写実主義文学の巨匠。また、自然主義文学の先駆。観察・考証の精密さと文体・形式の美的洗練とが特色。(1821〜1880)

作「ボヴァリー夫人」「サランボー」「感情教育」など。



エピオルニス【aepyornis】

エピオルニス目エピオルニス科の鳥類。アフリカ南東沖のマダガスカル島とオーストラリア西部に生息。1642年にマダガスカルがフランスの植民地になってから、ヨーロッパに広く知られるようになった。
17世紀に絶滅したと考えられているが、1800年代前半まで生きていたとする者もいる。

最大のもので頭頂までの高さは3.5メートル、体重は500キログラムに達し、史上最も重たい鳥とされる。翼は小さく退化し、飛ぶことは出来なかった。

森林の中の開けた場所で群れをつくり、イチゴ類や草、木の葉などの植物を食べて生活していた。

名前の意味は”最も背の高い鳥”だが、実際はニュージーランドのジャイアントモアのほうが高い。



アラビアンナイト【Arabian Nights】

原題「千夜一夜物語」の英語名。 インド・イラン起源や近東諸地方の物語集。

シェヘラザードという才女が面白い物語を千一夜にわたって続けるという形式をとる。初めパフラビー語で書かれ、8世紀後半頃アラビア語に訳され、以後増補。著者不明。

アラビア夜話。千一夜物語。



トラツグミ【虎鶫】cut_j

スズメ目ヒタキ科ツグミ亜科の鳥。ツグミより大形で、背面は黄褐色、腹面は黄白色で一面に三日月形の黒斑がある。

日本・中国などで繁殖し、冬は南へ渡る。低山帯の林にすみ、夜「ひいい、ひよお」と寂しい声で鳴く。

ヌエ(鵺)。ヌエシナイ。



平家物語【へいけものがたり】

軍記物語。平家一門の栄華とその没落・滅亡を描き、仏教の因果観・無常観を基調とし、調子のよい和漢混淆文(わかんこんこうぶん)に対話を交えた散文体の一種の叙事詩。平曲として琵琶法師によって語られ、軍記物語・謡曲・浄瑠璃以下後代文学に多大の影響を及ぼした。

原本の成立は承久(1219〜1222)〜仁治(1240〜1243)の間という。成立過程には諸説あるが、早くから読み本・語り本の系統に分れて異本を派生したと考えられ、前者には6巻本(延慶本)・20巻本(長門本)・48巻本(源平盛衰記)など、後者には12巻本に灌頂巻(かんじょうのまき)を加えた覚一本・流布本などがある。

治承物語。平語。



モモンガ

リス科の哺乳類。ムササビに似るが、小形で、頭胴長15〜20センチメートルほど、眼が大きく、また頬の白斑がない。毛色は褐色と灰色とがある。

日本特産で、本州・四国・九州に分布。北海道にはやや小形のタイリクモモンガがいる。森林にすみ、樹間を滑空する。夜行性。

ももんがあ(歴史的仮名遣でモモングワアとも)。ももんじい。



【みずち】

(古くはミツチと清音。ミは水、ツは助詞、チは霊で、水の霊の意)

想像上の動物。蛇に似て角と四脚とを持ち、毒気を吐いて人を害するという。



本草綱目啓蒙【ほんぞうこうもくけいもう】

小野蘭山が「本草綱目」をもとに日本の本草について講義したものを、その孫・門人などが整理し出版した書。48巻。1803年(享和3)刊。

方言資料としても貴重。



蜃気楼【しんきろう】

[史記天官書「海傍蜃気象楼台」](「蜃」は大蛤。古くは、大蛤が吐く気によって空中に楼台などが現れると考えた)

地表近くの気温が場所によって異なる時、空気の密度の違いによって光線が屈折するために、地上の物体が空中に浮んで見えたり、或いは地面に反射するように見えたり、遠方の物体が近くに見えたりする現象。

砂漠・海上、その他空気が局部的に、また層をなして、温度差をもつ時などに現れやすい。富山湾で春に見られるのが有名。

蜃楼。貝楼。空中楼閣。海市。



仏陀【ぶつだ】

(梵語 buddha の音写。覚者・智者と訳す)

聖者に対する呼称。悟りの境地に達した者という意。

あるいは仏法の大聖者。特に、釈迦牟尼の称。

ブッダ。



オデュッセイア【Odysseia】

「イリアス」とともにホメロス作と伝えられる古代ギリシアの長編叙事詩。

トロイア戦争から凱旋の途中、オデュッセウスが遭った10年間の漂泊と、不在中、妃ペネロペに求愛した男たちに対する報復とをのべる。

オデッセー。



黄帝【こうてい】

中国古代伝説上の帝王。名は軒轅(ケンエン)。三皇五帝の一。
蚩尤(シユウ)を倒して天下を統一、度量衡を律し、音楽を一定、宮室・器用・衣服・幣制を確立したといわれる。


崑崙【こんろん】

  • 中国古代に西方にあると想像された高山。書経の禹貢、爾雅・山海経などに見える。崑山。
  • チベットと新疆ウイグル自治区の境を東西に走る大山系。 
  • 唐・宋の頃、マレー半島・インドシナ半島方面の総称。


ヘロドトス【Herodotos】

前5世紀ギリシアの史家。小アジア生れ。諸方を遊歴。
著書「歴史」でペルシア戦争を中心に東方諸国の歴史・伝説、アテナイやスパルタなどの歴史を叙述。
「歴史の父」と呼ばれる。


プリニウス【Plinius】

(Gaius〜Secundus) 大プリニウス。ローマの将軍・官吏。騎兵隊長・属州総督・海軍提督を歴任。
軍事・歴史・修辞学・自然学を研究。79年8月ヴェスヴィオ火山の爆発の際、科学的調査を試み現場で有毒ガスのため窒息死。
博識家で、現存著作は一種の百科全書ともいうべき「博物誌」37巻。(23〜79)


フウチョウ【風鳥】

スズメ目フウチョウ科の鳥の総称。大きさはツグミからカラスぐらい。ニューギニアおよびその付近の島嶼に、約40種が分布。
雄は栗色・緑色・黄色など種々な飾り羽を持ち、非常に美麗、集団で特徴的な求愛のダンスを行う。樹林にすみ、果実・種子・昆虫などを食う。
極楽鳥。比翼の鳥。



サンショウウオ【山椒魚】

サンショウウオ目のうち、サンショウウオ科・オオサンショウウオ科などの両生類の総称。イモリに近縁で形もよく似る。
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わが国各地山間の渓流・湿地にすみ、幼生は外鰓(ガイサイ)を持つ。クロサンショウウオ・ハコネサンショウウオ・ヒダサンショウウオなど、日本に十数種いる。なお、サンショウウオ目はイモリ類を含む。
ハタケドジョウ。椒魚(ハジカミウオ)。油魚(アブラメ)。


扶桑略記【ふそうりゃっき】

平安末期成立の歴史書。神武天皇から堀河天皇に至る間の漢文の編年史。
叡山の僧皇円著。もと30巻、現存のものは残欠本で、16巻分と抄本を伝える。
六国史以下の典籍および寺院関係の古伝により、各条に出典を掲げる。


古今著聞集【ここんちょもんじゅう】

鎌倉時代の説話集。20巻30編。橘成季撰。1254年(建長6)成る。
今昔物語集・宇治拾遺物語・江談抄・十訓抄などの説話をも採り入れ、わが国の説話を題材別に分類収録。


ニライカナイ【にらい-かない】

奄美・沖縄地方で、海の彼方にあると信じられている楽土。そこから年ごとに神(赤また・黒また・まゆんがなし、など)が訪れ、豊穣をもたらすと考えられている。


ジュゴン【儒艮】

(マレー語から) カイギュウ目ジュゴン科の哺乳類。頭胴長約三メートル。尾は横に扁平な尾鰭(オビレ)となる。後肢は退化。
インド洋・南西太平洋の沿岸の浅海に生息し、海草を食べる。立泳ぎしながら、子を抱いて授乳する姿から古来これを「人魚」とした。
沖縄で犀魚(ザンノイオ)。天然記念物。


比丘尼【びくに】

  • 出家して具足戒を受けた女子(男子は比丘)。尼僧。あま。徒然草「―より優婆塞(ウバソク)は劣り」。
  • 鎌倉・室町時代以降、尼の姿をして諸方を遊行した一種の芸人。熊野比丘尼・歌比丘尼など。次第に定住し、江戸時代には尼の姿で売色した私娼(シショウ)をもいう。一代女三「大坂川口の浮れ―」
  • 科負(トガオイ)比丘尼の略。