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セイレーン

1.船乗りを誘う歌声

2.誘惑に打ち勝った男たち

3.セイレーンとナポリ

1.船乗りを誘う歌声

ギリシア神話に登場する海の精霊(ニンフ)。その美しい歌声で船乗りを誘惑し、船を難破させてしまうという。

姿に関しては、「少女の顔をした、赤みがかった羽根の鳥」、「上半身が女、下半身が海鳥」、「半分が女、半分が魚」など諸説あり、はっきりしない。

セイレーンはもともと半人半鳥の女神だったが、詩の女神ムーサイ(ミューズ)との争いに負けて海に落ち、半身が魚に変化して海の精霊になったのだともいわれる。

彼女らの正体を、怪物あるいは悪魔だとする説もある。

有名なライン川のローレライ伝説などは、このセイレーンにまつわる話が原型となっている。

セイレーン

2.誘惑に打ち勝った男たち

ホメロスの『オデュッセイア』に登場するオデュッセウスは、誘惑する歌声に負けないように、漕ぎ手たちの耳をロウで塞ぎ、自らの体をマストに縛りつけた。

またアポロドロスが記した『ビブリオテーケー』では、オルペウスが美しい歌を唄って対抗したとある。自分達より美しい歌声を聞かされたセイレーンは海に身を投げ、岩と化したという。


3.セイレーンとナポリ

むかし、キルケーの島近くに棲んでいたパルテノペーという名のセイレーンが死んだ際、その体がカムパニアの海岸に打ち上げられたという。

ナポリという都市の名は、このパルテノペーにちなんで付けられたと伝えられている。