4世紀ローマの学者ホノラトゥスは、この奇妙な姿をした怪物は、火山の比喩だと述べている。
リュキアの町にキマイラという火山があって、そのふもとには大蛇が多く棲息し、その山腹の草原にはヤギがいて、噴火する頂上の付近にはライオンの群れが棲んでいたという。これがキマイラの元となったというのである。
この他には、ライオン、ヤギ、ヘビを船に飾っていた海賊のことだなどとする説もある。
しかし、これらの説が的を射ているのかどうかははっきりしていない。むしろ古くから伝わる怪物をタネにして、空想を楽しんだだけのようにも思われる。
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