かつては日本近海でふつうに見られたニホンアシカだが、1900年代に入って減少を始め、ついには絶滅してしまった。
絶滅の原因ははっきりしていないが、もともと生息数がそれほど多くなかったうえ皮や脂を目的とした猟が行われ、次第に影響を受けていったものと思われる。
例えば竹島周辺では、1895年前後には隠岐の漁民によるアシカ猟が始まっていた。
猟は本格的なものになっていき、1905年(明治38)には「竹島漁猟合資会社」が設立された。会社の資料によれば、1911年(明治44)までの7年間に11,046頭が捕獲されたという。
アシカが減ってくると猟の目的は、皮や脂を採る為から、動物園やサーカスに売り渡す為へと変化していった。こうして採算が合わなくなる第二次大戦直前まで、猟は続けられた。
1958年に竹島周辺には200〜500頭ほど生息していると報告されたが、以後確実な記録が無く、ニホンアシカは絶滅したと考えられている。
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