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概要西表島で古くから存在が信じられている体長1メートルぐらいの大ヤマネコのこと。ヤマピカリャーとは「山の中で目が光るもの」という意味だが、猫は地元では「マヤ」と言うため単に「ヤママヤ」と呼ばれることも多い。 西表島は、1965年に発見された国の天然記念物イリオモテヤマネコが生息することで知られているが、これはそもそも島のヤマネコ伝説に興味を持った動物作家 戸川幸夫氏が調査に入ったために発見されたものである。 イリオモテヤマネコは体長50センチメートル程だが、地元住民はこれとは別の大きなヤマネコ(つまりヤマピカリャー)がいると主張している。住民らによれば、ヤマピカリャーに山で遭遇するなどした人は西表島西部を中心に47人ほどいるという。 食糧が不足がちだった終戦直後はヤマピカリャーを捕獲して食べた人もいたというが、その後は目撃例もしだいに減り、近年ではほとんど無いという。 しかし全く無くなったわけではなく、時折ではあるが信憑性の高い目撃例が報告されることもある。 例えば2003年ごろに、西表島船浮で漁業を営む島袋正一さんが、山の中でヤマピカリャーに遭遇したという。イノシシの罠を仕掛けようと浜から100メートルほど歩いた所で、突然岩の上からヤマピカリャーがジャンプしてきたという。大きさはヤマネコの倍ぐらいで、3メートルほどもジャンプするなど、とても身軽だったという。 また、2007年9月14日の午後6時すぎには、魚類研究のため西表島に滞在していた島根大学の秋吉英雄教授がヒョウのような生物を目撃したという。 秋吉教授が崎山半島の海辺に座っていたところ、それは風上からゆっくり近づいて来て、目の前2.5メートルほどまで来ると同教授に気付いて走り去った。最初はイノシシだと思っていたという同教授は、目が合って「襲われる」と思い怖かったという。その生物はヤマネコよりずっと大きく、尻尾が長くて斑紋があったといい、ウンピョウ(台湾などに生息するヒョウの一種)に似ていたらしい。 現時点でヤマピカリャーの実在を示す確たる物証は無いが、島民その他による目撃証言は信頼に足るものが多いと思われる。このような状況で、全てが嘘や見間違いと考えるのは無理があるのではないだろうか。
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特徴
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正体は?現時点では、西表島で野生生物の調査や保護活動を行う環境省西表野生生物保護センターの見解も「伝説的な話として把握しているが、これまでヤマピカリャーの存在は確認していない」というものである。 しかし、島民その他による目撃証言は、充分に信頼できるものが多い。 イリオモテヤマネコとは別の大型ネコ科動物が生息している可能性はかなり高いと思われる。 |