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概要ヌンダとも呼ばれるこの獰猛な獣は、タンザニアに出現して人間や家畜を襲ったという。その体つきは大型のネコ科動物を思わせ、ライオンやヒョウのようでもありながら、そのどちらとも特定し切れぬ特徴を備えた動物らしい。 呼び名の「ムングワ」とは現地語で”奇怪なもの”の意。 1922年のリンジで、真夜中に警官が何者かに切り刻まれ、同僚によって発見されるという事件が起きた。発見時、被害者はまだ痙攣していて、手に灰色の毛束を握っていたという。翌日、二人の村人が”体にぶちのある非常に大きなネコ”が夜中に警官を襲うところを見たと証言したという。 残された毛束はライオンのたてがみかとも考えられたが、イギリス軍司令部経由で鑑定された結果「何らかのネコ科動物の体毛だろうが、ライオンのたてがみではない」との見解が示されたという。 このほか、家畜を襲った際に残された毛や足跡も見つかっているが、その毛にはヒョウとは異なる斑紋があったという。また、足跡に関して調査したパトリック・ボーウェン博士は「最大級のライオンほどの大きさのヒョウのもののようだ」と述べたといわれる。 このムングワ、近年では目撃情報などがほとんど無いという。人間にその正体を明かさぬまま姿を消してしまうのだろうか。 |
特徴
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正体は?特徴から考えて、未知のネコ科動物と考えるのが自然なように思われる。ただ、ネコ科動物といえどもそう簡単に人間を襲うものではないとし、動物の仕業に見せかけた狂信者の犯行とする説もある。 この狂信者説の可能性を示す具体的な例がある。例えば1960年代初頭までギニアやセネガルといったアフリカの国々に残っていたというヒョウ憑き信仰である。これはヒョウの毛皮を身にまとい動作を模倣することで、ヒョウの能力や生命力を我がものに出来るとする信仰である。 これを信仰する人間は、ヒョウの毛皮を身に着け、手に鋭い爪状の武器を持ち、茂みに分け入ってヒョウそのものになりきるのだという。 このヒョウ人間に襲われて命を落とした人々は数多いとされ、その死体は本物のヒョウに襲われた場合と同様、荒々しく傷付けられることになるという。このヒョウ憑き信仰は人食いに根ざしているため、新入りが入会するときは自分の家族を一人、仲間達に差し出さなければならないとされる。 ムングワの場合は現場に動物のものらしい足跡が見つかっているため、一概にこのヒョウ人間に類するものの仕業とは言い切れない。しかしそうではないとも、また言い切れないだろう。 |