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概要例えば北米大陸で報告されたカンガルーなど、本来その地域には生息しないはずの”場違いな動物”が目撃されることが時折ある。「テレポーティング・アニマル」とか「エイリアン・アニマル」、「ミステリー・アニマル」などと呼ばれるこの種の動物に関して、現在最も注目を集めるのがイギリスである。 というのも、イギリスではこれまでにクマ、ライオン、トラなどが現れ家畜を襲ったという記録がいくつも残されているうえ、近年、ピューマあるいはヒョウに酷似した動物が頻出しているからである。 イギリスではこの”場違いな動物”を「エイリアン・ビッグ・キャット(略してABC)」と呼ぶことが多い。ほかには単に「ビースト(野獣)」とか、またイングランド南西部では「モギィー」とも呼ばれる。 ピューマそっくりの動物がイギリスに現れたという記録は18世紀までさかのぼるが、目撃が多発するようになるのは1962年頃からだという。 1964年8月、ハンプシャー州ファンハムの農場では、ヒツジやウシなどの家畜がピューマに似た動物に襲われるという事件が発生している。 また1966年7月4日にはサリー州ワープレストンの民家の庭にピューマに似た動物が現れ、警官らに目撃された。このときの動物の姿はカメラにも収められている。 以後、現代に至るまで目撃や撮影の事例は数多い。 そのほか、ABCに関連すると思われる興味深い報告が幾つか存在する。 1985年10月14日、スコットランド地方のダラスで謎のネコが射殺された。このネコは体長約80センチとまだ子どもで雌。通常見られるネコに比べ手足や尾がとても長かった。 そのほか1989年2月3日にはスロープ州ルドローで、車にはねられた見慣れぬネコが発見されている。 これらの例は、”場違いの動物”が実在する可能性を示唆しているのではないだろうか? 写真や現場に残された足跡などからも、おそらくピューマなどのネコ科動物だろうと言われているが、捕獲でもされない限り謎は残るだろう。 |
特徴
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正体は?まず気になるのは野犬やキツネの仕業ではないかという点である。しかし襲われた家畜らの体には鉤爪による深い傷痕が残されているといい、その可能性は低い。 証言からも、ピューマやヒョウに類するネコ科動物が生息していると考えるのが自然ではないだろうか。その大型ネコ科動物が何処からやって来たかについては、
といった説がある。 実際にイギリスでは1950年代から60年代にかけて、無許可で野獣を飼っていた人々が、飼いきれなくなって野山に放棄するという事件が多発したという。現在の密輸ペットの状況などを考え合わせても、飼われていた動物が野生化した可能性というのは高いのではないだろうか。 また、ABCを超自然的な存在とする見方もあるが、これについて現時点ではあまり可能性が高いとはいえないだろう。 |