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概要オラン・ペンデクとは現地の言葉で「小さな人」という意味で、人間のようにスムーズな二足歩行を行うという、類人猿らしき生物のことを指す。ほかに「セダパ」、「オラン・レッジョ(つぶやく人)」などとも呼ばれている。 現地では古くから知られていたようで、14世紀の旅行家マルコ・ポーロの『東方見聞録』にもそれらしい獣人の話が出てくるという。 この辺りの原住民は、自分たちが来る以前から住んでいた人々の生き残りが、オラン・ペンデクやオラン・ガダンだと信じているそうである。 1923年10月、木材商人ヴァン・ヘールバルデンがプルリマウ川そばの森で野ブタ狩りをしていると、木の上にしがみついている、全身を黒い毛に覆われた髪の長い小柄な生物をみつけたという。 これがセダパと呼ばれる臆病な生物なのだと思ったヘールバルデンは、生け捕ろうとして木の幹を登りだした。するとその生物は木の枝先から地上に落ち、長い髪をなびかせながら走って逃げたという。ヘールバルデンは銃で撃とうとしたが、逃げるその生物の長い髪を見たら、自分が殺人を犯そうとしているように思えてきて、引き金が引けなかったという。 近年の動きでは、1993年頃からオラン・ペンデクについて調査を開始した元新聞記者で作家のイギリス人デビー・マーテルが、1995年にインドネシア政府の援助を受けた調査隊による探索を行い話題になった。この調査隊は何度もこの生物を目撃し、姿を写真に収めたほか足型や排泄物、毛などを採取したという。 ただこれら資料を目にした科学者の中には未知動物だとの説に疑問をもつ者もいるといい、いまだ決定的な実在の証拠とは成り得ていないようだ。 調査隊によれば、スマトラ島のケリンチ・セブラト国立公園内の山岳地帯に数百頭程度は生息しているという。 そのほか、2001年10月にはイギリス人探検家アダム・デイビス氏、アンドリュー・サンダーソン氏、キース・トウリー氏の3名による現地調査の成果が『サン』紙で報道された。それによると西スマトラ島の熱帯雨林を調査した結果、石膏による足型の採取と、長いオレンジ色の体毛の発見に成功したという。 見つかった体毛は分析のため、オックスフォード大学(イギリス)とキャンベラ大学(オーストラリア)に送られた。このうち、オーストラリアのハンス・ブラナー博士による鑑定では、体毛の中心部(メジュラ)の特徴がサルやゴリラといった既知動物のそれと一致しなかったことから、未知生物の体毛であろうとの推測がなされた。 DNA調査などのより詳しい研究を行う為には、毛根の付いた体毛等の新たな手掛かりが発見されなければならない。更に現地調査が活発に行われることを期待したい。 |
特徴
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正体は?この地方に生息するオランウータンやテナガザルなどの誤認とする説も根強いが、それ以外には「未発見の部族」説や「ジャワ原人の生き残り」説、「未知の類人猿」説などがある。 先に述べた体毛の鑑定結果を信じれば、少なくとも未知の生物と言うことは出来そうである。 |