1.雷獣とは?
2.雷獣の正体
雷獣とは、雷雨になると現れ、空を飛びまわると信じられた妖怪のこと。雷とともに地上に落ちれば、人に害を為すと考えられ、恐れられていた。
雷獣の姿には諸説あり、『南総里見八犬伝』の作者 滝沢馬琴が調べたところによると、一説には小型のイヌに似て灰色で、長い頭とキツネに似た尾、ワシのようにとがった爪を持つという。
あるいは、大きさはムササビほどだが全体は子ギツネに似て、首と尾はカワウソを思わせる、ともいう。
そもそも雷獣なる妖怪が信じられるようになったもとには、テンなど木の上や根元を生活の場とする実在の動物が関係していると考えられる。
おそらく、落雷した木の下でテンなどの動物が黒コゲになって見つかることがよくあったために、【雷とともに落ちてくる生き物】という考え方が生まれたのだろう。
『甲子夜話』巻二には秋田の雷獣の話が書かれていて、ネコに似た動物(雷獣)が雷と一緒に落ちる事があり、屋根に落ちてきたそれを煮て食べた者がいることを紹介している。