インド神話に登場するヘビの神。古来より水と豊穣の神、または生殖の神として信仰を受けた。しばしば人間の姿にもなるが、本来は人面蛇身で、パーターラという地底界に住むという。
そこの王たちは巨大で猛毒を持つとされ、彼らの頚部には笠状の張り出しがあり、そこについた輝く宝石は地底界を照らしている。
パーターラの最下層には、ナーガの首長である原初のヘビ、アナンタが住むという。アナンタは美しい娘たちにかしずかれ、その頭で全世界を支えているといわれる。
このヘビの神は、コブラやニシキヘビのイメージが重なって形作られたものと思われる。
この神はインド以外でも信仰され、カンボジアのクメール王朝では王がナーガの子孫とされていたほか、現在の東南アジア諸国では安産の神と信じられている。
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