中国より伝わる瑞獣。ふつう、姿はクジカに似て、ウシの尾とウマの蹄を持つといわれる。また頭部に角を生やしているが、その先端は肉でおおわれ攻撃には用いない。体からは五色の燐光を発し、腹の下は黄色で、いつも単独で行動するという。
また、麒麟はこれまで一度も転んだことがなく、網や落とし穴などの罠には決してかかることがないといわれている。そして、麒麟を傷付けたり、その死骸に出くわすのは不吉な事とされている。
『三才図会』では、この獣の角があるものが雄で、それを麟と呼び、雌を麒と呼ぶ、という。しかし、逆に『瑞応図』では雄が麒、雌が麟とされている。
麒麟はよく西洋のユニコーンと対比される。ユニコーンが狂暴な獣なのに対し、麒麟は非常にやさしい性質で、歩く際も生きた虫や草を踏むまいとするほどだという。そのため麒麟の絵には、つま先立ちしたような姿のものが多い。
麒麟の寿命はふつうで一千年といわれる。
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