1.ケルベロス −冥府の怪物−
2.ヘラクレスとの闘い
3.地獄の犬たち
ギリシア神話に登場する、冥府の番犬がケルベロスである。
番犬といってもただの犬ではなく、恐ろしい姿をしている。三つの頭を持ち、首の周りのたてがみはその一本一本がヘビで、さらに尾もヘビの形をしているというまさに怪物犬。
そしてそれぞれの頭の目には、睨むだけで敵を石に変える能力があり、さらに真ん中の頭は毒を持っているという。
ギリシア神話にはヘラクレスという怪力の勇者が登場するが、ケルベロスはこのヘラクレスと闘っている。
恐ろしい力を持つケルベロスも、ヘラクレスの怪力にはかなわず、頭を締め上げられてついに生け捕られてしまった。
地上まで連れて行かれたケルベロスだが、あまりの狂暴さに飼い主がなく、結局は冥府に送り返されたという。
恐ろしい怪物犬というのは世界各地の話に登場する。ギリシア神話にも、ケルベロスの他にオルトロスという双頭の犬がいるし、北欧神話にはガルムという冥府の番犬が登場する。
これら怪物犬の多くは番犬としての性格を与えられている。