1.エチオピアの「うつむく者」
2.博物学者キュヴィエによると・・・
3.作品中のカトブレパス
プリニウスが記した、エチオピア国境あたりに棲むという野獣のこと。体の大きさは並だが、頭が重く、細長い首でやっと支えているため、いつもうつむいていて動きが鈍い。この野獣の目を見た者は命を落とすといわれる。
名前は、<うつむく者>という意味のギリシア語から。
フランスの博物学者キュヴィエはカトブレパスが生まれた過程について、ヌーなど実在の動物の姿にバシリスクやゴーゴンといった怪物の特徴が組み合わされて生まれたものと推測している。
フローベール作『聖アントワーヌの誘惑』にカトブレパスが登場しているが、そこでは「真黒い水牛で、豚の頭を地面すれすれに垂らし、空っぽの腸のように長くて締まりのない細い首がそれを胴体につないでいる」と描写されている。