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フェニックス

1.不死の鳥

2.フェニックス伝承の変化

3.フェニックスとフウチョウ

フェニックス

1.不死の鳥

アフリカ、中近東、東南アジアなどで信じられた、一度死んでも生き返る(つまり死なない)鳥のこと。日本では不死鳥の名で呼ばれる。

キリスト教徒はこの鳥を再生のシンボルとみなし、教会などの装飾にも用いた。中世には「ベスティアリ(キリスト教寓意譚)」として広まり、「クジャクより美しい」、「レバノン杉のみをついばみ生きる」などと信じられた。

フェニックスは古代エジプトの伝説の鳥ベヌーや東洋の鳳凰などと、混同あるいは同一視された。

2.フェニックス伝承の変化

この鳥の伝承は古く、ヘロドトスの『歴史』にも記されている。それによれば、フェニックスとは500年ごとにアラビアから飛んでくる一羽の鳥で、自らの死を予知すると香木で巣を作り、その中で死ぬという。そしてその死骸から新たに若鳥が生まれ、親鳥の骸は若鳥によって太陽まで運ばれ、焼かれるとされている。

のちのプリニウスは『博物誌』の中で、この鳥を「大きさはワシぐらいで、全体は深紅だが首のあたりは黄金色の羽で飾られ、尾は青に薔薇色が混じっている。頭には冠のような羽毛が立っていて、のどには房がある」といっている。

また、13世紀にアラビアの博物学者カズウィーニーが書き記したフェニックスは、700年生きた後、巣ごもりをして子を産み、自らの体を焼く、というものだった。

そしてギリシアの『フュシオロゴス』では、フェニックスとはインドからエジプトへと渡って来る鳥で、香木の置かれた祭壇へと舞い降りるとその香木に火を放ち、自らの身も焼いてしまうとされた。翌日、灰をまさぐる神官はその中に芋虫のような小さな生き物を見つけるが、それは次の日には羽が生えて若鳥の姿へと変わり、さらに次の日にはすっかり元の姿を取り戻し、神官に挨拶をし飛び去ってしまう、というものになった。

フェニックスの伝承は、次第にこの『フュシオロゴス』のような形へと落ち着いていった。

3.フェニックスとフウチョウ

16世紀にヨーロッパや中近東を旅してまわったフランスの動物学者P・ブロンは、フェニックスをフウチョウの一種だと考えていた。

当時のヨーロッパ人はフウチョウのことを、足が無く、休むときは長い尾羽根を木枝に巻きつけてぶら下がる、不思議な鳥だと信じていた。

しかしそれはヨーロッパへ送られてくるフウチョウの標本が、足がチョン切られた状態のものばかりだったことから生じた誤解であった。