1.狛犬のルーツ(その1)
2.狛犬のルーツ(その2)
3.現在の狛犬
狛犬とは、神社の拝殿前によく置かれる、獅子に似た動物。
もともとは中国の(じ)と呼ばれる、厚く硬い蒼黒色の皮膚と一本角をもつという、サイによく似た幻獣だという。
その(じ)が日本に入ってくると、大陸から伝わった異形の犬として【高麗の犬】=【狛犬】と呼ばれるようになったという。
狛犬のモデルは、中国に伝わる豸(かいち)だとする説もある。豸(かいち)とは、王の裁判が公平に行なわれる時代に現れるという瑞獣で、姿はヒツジに似ていて角は一本という。
豸(かいち)は、韓国では景福宮の正門にも飾られており、火除けの力があるといわれている。
中国に古くから伝わる瑞獣には、天禄(てんろく)という名のものがあるが、この豸(かいち)と同じものではないかと考えられる。
インドや中国では、神社仏閣などの前に魔除けとして一対の獅子像を置く風習があった。昔の日本でもこれに倣い、左に獅子、右に狛犬を置くようになったという。
しかし時代が下るにつれて両者が混同されていき、今日では一般に区別なく、どちらも狛犬と呼ばれている。