1.狂暴な「ミノスの雄ウシ」
2.クレタ島の雄ウシ崇拝
3.ミノタウロスの最期
ギリシア神話に登場する牛頭人身の怪物のこと。狂暴で力が強く、その手には両刃の斧を携えている。
この怪物は、クレタ王ミノスの妻パシファエと、海神ポセイドンが送った白い雄ウシとのあいだに生まれたとされる。
ミノスによりラビュリントス(迷宮)に閉じ込められたミノタウロスは、毎年アテナイから生け贄として七人ずつ送られてくる少年少女を食らったという。
ミノタウロスとは<ミノスの雄ウシ>の意味。
クレタ島は古代において雄ウシ崇拝の中心地であり、そこではウシを交えた、ショーとも儀式ともいえるものが行われており、これらの中から、現在のアクロバットや闘牛が派生したという。
それらの儀式の中で、生け贄のウシを殺すために用いられた両刃の斧が「ラブロス」と呼ばれていたといい、一説には、この「ラブロス」が変化して「ラビュリントス」となり、その要素が話に含まれるようになったのだという。
ミノタウロスは、生け贄として迷宮に入り込んだ英雄テセウスにより退治された。テセウスは事前に王の娘アリアドネから糸玉を渡されていたため、この跡を辿って無事に迷宮から抜け出したという。