1.北欧の怪物
2.『ノルウェー博物誌』のクラーケン
3.正体は?
北欧地域で古くから目撃されてきた海の怪物のことだが、姿ははっきりしない。巨大な生き物で、船を襲って沈めてしまうと信じられたため、船乗りに恐れられた。
また、深海に棲むがときどき海面に浮かび上がり、そのときまわりにたくさん魚が集まるので、漁師には大漁をよぶ生き物として歓迎されたという。
18世紀末にフランスで出版されたドゥニ・ド・モンフォールの『軟体動物誌』でクラーケンは大ダコの姿で描かれ、それ以来ヨーロッパでは「深海に棲む大ダコ」として広まった。
ポントピダン司教が著した『ノルウェー博物誌』では、天地創造のときに生まれて世界の終末まで生き続ける怪魚とされている。
一見すると巨大な浮島のようで、体長は1マイルほどもあり、体に海藻を生やし、数本のツノを持ち、泳げば渦巻きがおきるといわれる。
実在の生物がクラーケンのモデルとなった可能性も大いにある。
ポントピダン司教は「タコかヒトデの一種」とみていたが、その巨大さから、候補としてはダイオウイカあたりがふさわしいと思われる。