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鵺(ぬえ)

1.鳴き声が「鵺」の合成獣

2.『源平盛衰記』の鵺

1.鳴き声が「鵺」の合成獣

鵺とはむかし平安京に現れたという怪物のこと。もともとはトラツグミの異称だが、怪物の鳴き声がトラツグミのそれに似ていたため、その怪物自体を鵺と呼ぶようになった。キマイラなどと同じく、数種の動物が混じり合った姿をしている。

平家物語』によれば、この怪物は近衛院の時代とニ条院の時代に現れたとされる(長門本『平家物語』では鳥羽院の時代)。近衛院の御時には、毎夜丑の刻になると殿上に黒雲とともに現れては帝を怖れさせたという。命を受けた源頼政は猪早太を従えて警護に当たり、この怪物を弓で射落としたとされる。

その怪物は、頭がサル、胴はタヌキ、尾はヘビ、手足はトラ、鳴き声は鵺に似ていたといい、その死骸は舟で流されたという。

また、手柄を立てた源頼政は、帝より「獅子王」なる剣を与えられたという。


2.『源平盛衰記』の鵺

源平盛衰記』によれば、鵺が現れたのは後白河院の時代で、その姿も『平家物語』とは多少違い、頭がサル、背はトラ、尾はキツネ、足はタヌキに似て、声は鵺に似ていたとされている。

このほか『源平盛衰記』と長門本『平家物語』では、平清盛が鵺に似た鳴き声を持つ小鳥「毛朱(もみ)」を捕らえたという記述があるが、この「毛朱(もみ)」とは一説によるとモモンガのことだという。