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キマイラ

1.合成獣の代名詞

2.ベレロフォンとの戦い

3.奇妙な姿なのは、なぜ?

1.合成獣の代名詞

ギリシア神話に登場し、火を吹いて暴れまわる恐ろしい怪物。キメラともいう。テュポンとエキドナの子で、ヒュドラやラドンとは兄弟になる。その姿だが、ホメロスの『イーリアス』によれば、体の前がライオンで真ん中は雌ヤギ、後ろがヘビ(またはドラゴン)だという。

しかしヘシオドスの『神統記』では、体の前半分がライオンで後ろ半分はヤギ、ドラゴンに似た翼を持ち、頭は3つで、ヤギ、ライオン、ドラゴンのそれだともいう。

数種の動物を組み合わせた姿のモンスターは数多いが、これはその中でも最も有名な部類に入るだろう。



2.ベレロフォンとの戦い

キマイラは、リュキアの町を荒らしているところを、ペガソスに乗った英雄ベレロフォンによって退治された。

このエピソ−ドは、後に確立されていく「英雄によるドラゴン退治」の原型とも考えられる。

3.奇妙な姿なのは、なぜ?

4世紀ローマの学者ホノラトゥスは、この奇妙な姿をした怪物は、火山の比喩だと述べている。

リュキアの町にキマイラという火山があって、そのふもとには大蛇が多く棲息し、その山腹の草原にはヤギがいて、噴火する頂上の付近にはライオンの群れが棲んでいたという。これがキマイラの元となったというのである。

この他には、ライオン、ヤギ、ヘビを船に飾っていた海賊のことだなどとする説もある。

しかし、これらの説が的を射ているのかどうかははっきりしていない。むしろ古くから伝わる怪物をタネにして、空想を楽しんだだけのようにも思われる。