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ヒュドラ

1.ヒュドラとは?

2.ヘラクレスと戦ったヒュドラ

3.ヒュドラの標本

1.ヒュドラとは?

ギリシア神話に登場するミズヘビの怪物。テュポンとエキドナの子で、ヘラによって育てられた。ヒドラともいう。アルゴリスのレルネの沼沢に棲んでいた。

巨身で9つの頭を持ち、水辺に棲む。頭を1つ叩き斬られてもその根元から新たに2つの頭が生えてくるほどの強い生命力をもっている。さらに9番目の頭は不死だという。

頭の数に関しては、5個という説から100個という説まである。

 

2.ヘラクレスと戦ったヒュドラ

ヒュドラはギリシア神話に2度登場している。アンドロメダがヒュドラの生け贄にされそうになった時と、ヘラクレスの2度目の難行の時である。

ヘラクレスはヒュドラとの戦いで、まずレルネの沼沢に毒矢を放ってヒュドラを追い出し、鉄の鎌でその首を切り落とした。ところが首は切られても次々と増えて襲いかかってきた。そこで異母弟イオラオスが、首が再生しないよう傷口に燃える木を押し付け、次々と焼いていった。

このとき、女神ヘラがヒュドラを助けるために放った巨大なザリガニが、ヘラクレスの踵に噛みついた。しかしヘラクレスはこの痛みに負けることはなかった。

ヘラクレスは最後に残った不死の首も切り落とし、ヒュドラを見事退治した。その首は二度と生き返ることがないように地中に埋められ、更にその上に巨大な重石をのせられたという。

 

3.ヒュドラの標本

トプセルの『爬虫類の歴史』が記すところでは、紀元550年1月にトルコからベネツィアにヒュドラの標本がもたらされ、フランク王国のクロテールT世(在位511〜561)がダカット金6000枚でそれを買いあげたと伝えている。

またベネツィアのある公爵家では、七つ頭のヘビの標本が家宝とされていたという。

これら標本の真贋はともかくとしても、ヒュドラに類する動物の実在を信じた人々がいたのは確かなようである。