奈良市の奈良国立博物館で開催中の第63回正倉院展に出展された奈良時代の戸籍が関心を集めている。
台帳の中に、映画「男はつらいよ」の主人公とその妹と同じ「とら」と「さくら」の人名があり、
しかも2人の住んだ場所が今の東京都葛飾区柴又周辺と、舞台も一致。
「正倉院古文書正集(しょうそういんこもんじょせいしゅう) 第二十一巻」に収録された
721年作成の「下総国葛飾郡大島郷」の戸籍。
細かな文字で名前がびっしり書かれている。
その中に姓は「孔王部(あなほべ)」、名は「刀良(とら)」という男性と、
別の世帯に同姓の「佐久良賣(さくらめ)」という女性の名がある。
2人は兄妹ではないが、近くで暮らしていたとみられる。
年は「刀良」が33歳で、「佐久良賣」の一つ上という。
「大島郷」は、現在の葛飾区柴又や同区奥戸、江戸川区の一部を含む地域にあたり、
2人の名は以前から、研究者の間では評判になっていたという。