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ニホンアシカ

【JAPANESE SEA LION】

◆絶滅の原因は乱獲か?

かつては日本近海でふつうに見られたニホンアシカだが、1900年代に入って減少を始め、ついには絶滅してしまった。

絶滅の原因ははっきりしていないが、もともと生息数がそれほど多くなかったうえ皮や脂を目的とした猟が行われ、次第に影響を受けていったものと思われる。

例えば竹島周辺では、1895年前後には隠岐の漁民によるアシカ猟が始まっていた。

猟は本格的なものになっていき、1905年(明治38)には「竹島漁猟合資会社」が設立された。会社の資料によれば、1911年(明治44)までの7年間に11,046頭が捕獲されたという。

アシカが減ってくると猟の目的は、皮や脂を採る為から、動物園やサーカスに売り渡す為へと変化していった。こうして採算が合わなくなる第二次大戦直前まで、猟は続けられた。

1958年に竹島周辺には200〜500頭ほど生息していると報告されたが、以後確実な記録が無く、ニホンアシカは絶滅したと考えられている。

◆残された資料

剥製は現在、島根大学に1体、大阪市天王寺動植物園に5体(亜成獣2体、幼獣3体)、島根県立出雲高等学校に幼獣1体があるという。

そのほか貴重な資料として、竹島のニホンアシカを撮影した8ミリフィルムが残っている。1940年(昭和15)に米子市の長田芳久氏によって撮影されたこのフィルムは、実に52年後の1992年になってようやく広く知られるところとなった。

ニホンアシカ

《分類》

  • 食肉目アシカ科。

《形態》

  • ふつうカリフォルニアアシカの亜種とされる。
  • 体長はオスで200〜250cm、メスで150〜180cm。体重はオスで300〜400kg、メスで90kg。
  • メスはカリフォルニアアシカより体色が淡い。

《生態》

  • 本州、四国、九州の近海に生息。(特に日本海側)
  • 一生のほとんどを海上で過ごすが、休息や出産の際には岩礁に上がる。
  • 普段は時速15km前後で泳ぐが、最高時速は30kmにも達する。
  • 魚も食べるが、イカやタコが特に好物。
  • 繁殖期(5〜6月)には、1頭のオスが最大15頭ほどのメスを率いてハーレムを形成する。
  • 妊娠期間は約12ヵ月で、出産後まもなくに交尾を行うため、上陸は年1回のみ。
  • 一度に1頭の子を産む。
  • メスは6才、オスは9才ほどで成熟する。