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フローレス島の頭蓋骨は、現生人類の祖先に当たる別種か
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インドネシアのフローレス島で2003年に見つかっていた頭蓋骨は、小型化、あるいは病気の影響で小さくなった現生人類のものではなく、より原始的な人類の祖先に当たるものだとする新たな研究が「Journal of Human Evolution」誌オンライン版に発表された。
今回、問題の頭蓋骨を現生人類、類人猿、化石で発見されている初期人類の祖先の脳とそれぞれ比較するという研究を率いた、ニューヨーク州立大学ストーニブルック校のカレン・バーブ氏は、この頭蓋骨の形状は原始的な小型のヒト属の頭蓋骨に一致するとしている。
この約1万8000年前の頭蓋骨は、大きさが現生人類の3歳児程度しかなかったため、当初からホモ・フロレシエンシスという未知の新種のものだとする説が支持を集めた。しかしこれを疑わしいとし、脳が小型化する遺伝病「小頭症」を患った小型の現生人類だとする仮説なども唱えられてきた。
この頭蓋骨については、2006年の研究で、左右の形状に大きな差異がある点が指摘されていたが、この時は発達異常の特徴に一致するものであると結論付けられ、新種の可能性は否定されていた。
今回の研究でも、この左右の非対称性に焦点が集まったが、2006年時とは異なり、人類の祖先に当たる別種の健康な個体の範囲内に収まるものとの判断が下された。
前出のバーブ氏の考えでは、左右の非対称性に関しては、この頭蓋骨の化石化された過程を調べることで説明がつくという。
これに対し、2006年の研究の共同執筆者であるロバート・エックハルト教授(ペンシルバニア州立大学身体運動学研究科において発生遺伝学と進化形態学を研究)は、非対称性は化石化の過程における変化ではないとし、発達異常の強力な証拠だと反論しているという。
そのほか、イリノイ州シカゴにあるフィールド自然史博物館の学芸員ロバート・マーティン氏のように、今回の研究において、頭蓋骨の形状やサイズが検証される一方で、脳自体の小ささや非対称性が無視されていることに疑問を感じ、やはり、この個体が小頭症であったと考えるのが妥当ではないか、と指摘する意見もある。
今後、さらなる研究が進み、真実が解き明かされることを期待したい。
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2009年1月28日(水)
No.104
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