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天狗(てんぐ)

1.天狗(あまつきつね)

2.天狗についての俗説

3.天狗の種類

1.天狗(あまつきつね)

現在我々の知る天狗とは、白髪に赤い顔、高い鼻、山伏のいでたちで羽団扇を持ち、空も飛べるなど不思議な力を持つ妖怪である。

もともと天狗とは中国で流星の一種を意味していた。日本では『日本書紀』に登場するのが最古とされるが、そこでも中国の『史記』や『五雑爼』の説に倣い、流星の一種となっている。ただし、読み方は「あまつきつね」または「あまつととね」である。

これらがなぜ今日の天狗の姿になったかははっきりしない。『松尾筆記』によれば、日本にはもともと天神の意味で「天の君(あめのきみ)」と呼ばれる霊獣がいたという。それが後に「天公(てんぐ)」と記されるようになり、さらに中国の天狗と混同されて次第に今の天狗像が形作られたのだという。

中国でも天狗の捉え方はいろいろあったらしく、女の悪霊としたり、首の白いタヌキに似た動物(『山海経』)、あるいは蜀地方でのアナグマの呼び名(『本草綱目』)などとするものがが見受けられる。


2.天狗についての俗説

日本で天狗という妖怪が形作られる過程で、その正体についていろいろな説が登場してきた。いくつか挙げると、

1) 『和漢三才図会』では、素戔嗚尊(すさのおのみこと)の体内の猛気が吐き出され天狗神となったという俗説が紹介されている。

2) 鎌倉時代には、天狗は僧侶などの修行者が慢心に陥って変化したものとの考えが広まった。天狗の高い鼻はこの慢心を象徴しているともいう。

3) 怨霊の化したものが天狗だとする説。『保元物語』によれば、崇徳院は怨念のために生きたまま天狗の姿に変ったとされている。

などがある。


3.天狗の種類

天狗にも種類があり、ふつう天狗といわれる鼻の高いものは最上位に位置し、その下には蒼い顔にくちばしをもった烏天狗(からすてんぐ)と呼ばれるものがいて、さらにその下には、鳥の姿で術を持たない木の葉天狗(こっぱてんぐ)がいるといわれる。

俗に鼻高天狗を「大天狗」、烏天狗を「小天狗」と呼ぶ。