ユニコーンの成立には聖書が大きな影響を与えたと考えられる。『旧約聖書』の<申命記>や<ヨブ記>にはヘブライ語で”レーム”(二角獣の意)という角を持った動物の力強さが描写されている。
これがギリシア語訳旧約聖書『七十人訳聖書』では一角獣に変わり、さらに『欽定訳聖書』などで誤訳され、次第に力強さと恐ろしさが強調されていった。
ただし、現在では”レーム”とは野生のウシとする解釈が強まり、日本聖書協会発行の『聖書』では”野牛(のうし)”と訳されているという。
1892年に東洋学者シュラーデルが推測したところでは、ペルシアの浅浮彫に描かれたウシの横顔では角が一本だったため、それを見たギリシア人がこの一角獣を思いついたのではないかという。
|