1.エジプトのスフィンクス
2.メソポタミアのスフィンクス
3.ギリシアのスフィンクス
4.中世のスフィンクス
人間の頭とライオンの胴体を持つ怪物のこと。エジプト文明の最古期にその起源をもつという。
百獣の王ライオンに、エジプトの王ファラオを神格化し重ね合わせて出来上がったといわれ、古くから王権の象徴とされた。
名前の由来は、<魂の像>という意味の古代エジプト語「シェセプ・アンク」だといわれている。
メソポタミアにスフィンクスが伝わると、その顔は女性となり、背中には翼が付いた。これは神格化された猛禽類(ワシやタカなど)の要素が加わったためという。
またメソポタミアではスフィンクスを死者の神とする考えが生まれた。
ギリシアのスフィンクスは、美しい顔と乳房をもち、下半身がライオンという姿になっている。メソポタミアのものと似ているが、女性としての要素がより強調されている。
ギリシアでは墓や楯にスフィンクスを描き、魔除けとして用いたりした。
また、有名な「オイディプスに謎をかけるスフィンクス」は、このギリシアのスフィンクスのことである。
中世の博物学者コンラート・ゲスナーは、「スフィンクスとはサルの一種がモデルとなったものだろう」と述べている。
これをうけてE・トプセルは『四足獣の歴史』のなかで「エチオピアに生息するサルの一種のことだ」としてスフィンクスを取り上げている。