HOMEへ
幻獣・空想動物
東洋の幻獣・空想動物
世界の幻獣・空想動物
常々草
混沌事典
蔵書寸評
リンク集
掲示板
アンケート
HP内検索
HELP

一つ上に戻る

サラマンダー

1.火の精サラマンダー

2.サラマンダーの意味するもの

3.パラケルススのサラマンダー

1.火の精サラマンダー

火から生まれ、火を食べて成長し、火を燃え上がらせることも消すことも自由自在に出来ると考えられた、トカゲ型の生き物のこと。

サラマンダーは炎の中にあっても傷付かないと広く一般に信じられていた。

実在のトカゲ、サラマンダーは興奮すると体表から乳に似た液を出す性質がある。冬眠中のサラマンダーの寝ている木を暖炉にくべると、身を守ろうとしてその液を出し、炎の中でもしばらく生きている。ここから炎でも死なないという俗信が生まれたと考えられる。

もちろん全ての人がこれを信じていたわけではなく、プリニウスやディオスコリデスなどは書物の中で否定している。

不燃材として古代ローマ時代から利用されていた石綿だが、いつしか”石綿はサラマンダーの皮”との俗説が生まれ、石綿をサラマンダーの名で呼んだ時代があった。


2.サラマンダーの意味するもの

サラマンダーは強力な毒を持つと考えられ、その毒が人のかかとに付着しただけで全身の毛は抜け落ち、果樹にサラマンダーがよじ登ればその全ての実は毒を持つといわれた。このような性質から、邪悪なもの、悪魔の化身とみなされた。

あるいは炎の中でも冷たいとされたことから、熱情にとらわれない貞節のシンボルともされた。

また火に耐える性質から、キリスト教では<苦難にめげぬ信仰>の寓意とされ、中世社会において正義の象徴であったという。

3.パラケルススのサラマンダー

「世界は火・土・風・水の四元素で構成されている」との思想があるが、錬金術師パラケルススはこの四元素にそれぞれ精霊をあてた。火の精霊はサラマンダー、土の精霊はノーム、風の精霊はシルフィード、水の精霊はニンフとなっている。