火から生まれ、火を食べて成長し、火を燃え上がらせることも消すことも自由自在に出来ると考えられた、トカゲ型の生き物のこと。
サラマンダーは炎の中にあっても傷付かないと広く一般に信じられていた。
実在のトカゲ、サラマンダーは興奮すると体表から乳に似た液を出す性質がある。冬眠中のサラマンダーの寝ている木を暖炉にくべると、身を守ろうとしてその液を出し、炎の中でもしばらく生きている。ここから炎でも死なないという俗信が生まれたと考えられる。
もちろん全ての人がこれを信じていたわけではなく、プリニウスやディオスコリデスなどは書物の中で否定している。
不燃材として古代ローマ時代から利用されていた石綿だが、いつしか”石綿はサラマンダーの皮”との俗説が生まれ、石綿をサラマンダーの名で呼んだ時代があった。
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