16世紀の南アメリカで目撃されたという謎の動物。全身を見たものは無く、哺乳類なのか鳥なのかさえ定かではない。ただ、燃えるように輝く宝石(あるいは鏡)を頭にのせているらしいことが知られている。
カーバンクルとは通常、ざくろ石もしくは紅玉(ルビー)のことを指す。この動物の頭の赤い輝きがそれらの宝石に似ていることから、この動物自体をカーバンクルと呼ぶようになった。この頭にのった宝石を手にする者には富と幸運がもたらされると信じられた。
スペイン人探検家ゴンサーロ・フェルナンデスはマゼラン海峡で、暗闇に光り輝く二つの鏡のようなものを見かけたという。
また同じくスペイン人探検家のマルティン・デル・バルコ・センテネラはパラグアイでそれを見たといい、自著『アルゼンチナ』(1602)のなかで「燃える石炭のごとく輝く鏡を頭にのせた小さな動物」と描写している。
バルコ・センテネラはこの動物を捜し求めてジャングルにも分け入ったが、結局見つけ出すことが出来なかったという。
以来今日まで、誰にも見つけられてはいない。
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