両生・爬虫類のなかで最大最強の動物として西洋に伝わる怪物。今日、一般的にはヘビに似た体に翼を持ち、二足または四足の姿とされている。非常に長命で凶暴、知能も高く魔法を使うものや変身できるものもいるという。
炎を吐くドラゴンの血管には炎の血が流れているとされ、地中や洞窟、水中などに好んで棲むのは高い体温を下げるためだといわれる。
ギリシア人は大きな爬虫類をみつけると、それにしばしばドラゴンの名を与えた。
ドラゴンは様々な物語で人間に立ちはだかる脅威として描かれているが、これはドラゴンが災厄の象徴であることを暗示している。その災厄には洪水、竜巻、溶岩流といった自然現象のほか、ワニや大蛇までもが含まれる。ドラゴンの姿には、実在のワニ及びヘビが投影されている。
ドラゴンが火を吐くところから、17世紀になると大砲などの火器にドラゴンの装飾が施されるようになった。また火器を装備した軍隊を<竜騎兵>と呼ぶようになった。
北欧神話では、英雄シグルトのドラゴン退治が伝えられているほか、ドラゴンの血を飲めば動物と会話が出来るようになるとされている。
キリスト教が各地に広まっていくと、それ以外の信仰は邪教とされた。そして古くから伝わっていた聖獣も悪魔的なものとみなされるようになっていった。現在ドラゴンの一種とされているものには、こういったものも含まれているのである。
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