ヘビとトカゲを合わせたような姿で、頭に王冠状のトサカを持つというモンスター。ヘビ族の王で、砂漠に棲むという。ギリシア語で族長を意味する<basiliskos>を名の語源としている。

非常に強力な毒をもっているうえ、息を吹きかけたり睨んだりするだけで人間を殺す（または石にする）力があるという。またその場に居るだけで周りの草は枯れ、岩は砕けてしまうともいわれた。

姿に関しては幾通りかの説があり、八本足のヘビだとか、ヘビのような尾を持つ四本足のトリだとかいわれる。特にトリ型は「コッカトリス」と呼ばれ、別のモンスターとして区別されることもある。

何故かイタチだけはバシリスクの睨みに耐えられるとされ、イタチの悪臭はバシリスクを倒すと信じられた。

また雄鶏の鳴き声もバシリスクの嫌いなものと考えられ、鳴き声を聞くとあわてて逃げ去るといわれた。

そのほか、バシリスクを攻撃するためには鏡が有効とされていた。鏡で自らの姿を見せられたバシリスクは、自分で自分を睨み殺してしまうと考えられたためである。

トプセルの『爬虫類の歴史』では、バシリスクはニワトリの卵から生まれるものとされている。

夏場に腐った餌を食べたニワトリが、殻ではなく厚い皮で覆われた珍しい卵を生むことがある。その卵をヒキガエルやヘビが温めるとバシリスクが孵るのだという。